シフクノトキ

至福、雌伏、私服。

元上司とのやり取り

ふと思い出したこと。


前社での私のミッションのひとつに、他部署のミスをカバーする、というのがあった。
システムで変更不可な部分を手動で直す、という作業だ。
これがちょいちょい発生する案件で、私個人は、いくらシステムでもはじめのインプットは人間がすることだから、ミスが起こるのは仕方のないことだよな、と思っていた。
今も基本的にこの考え方は変わっていない。


が元上司は、この人間が起こすミスに納得いかなかったらしく、私に対して「どうしてこんなミスをするのかしら!?」と愚痴を垂れ流した。
私は自分のミスでもないのにネガティブな言動をぶつけられて、良い気分なわけがなかった。


マニュアル通りにやればミスなど起こらないはず、というのが元上司の考えだった。
いや、だったら機械にやらせるよう、完全にシステム化すればいいですよね。
そうできないから人間が作業するんですよね・・・
ミスを防ぐ手立てはあると思う。
が、ゼロにはできない。それが人間だから。コンディションがあるから。


そういうあなたは、間違いを起こすことはないのですか?
ありますよね。思い出すだけでもいくつか挙げることができますよ。
そんな時、あなたは認めなかった。誤魔化してやり過ごしていたのを知っていますよ。
不信感がまた膨らんだ瞬間。


ヒューマンスキルがとことん低い人だった。
人を鼓舞することなく、ちょっとした瑕疵をくどくど掘り返す。
それでいて自分のミスは否認。最悪。
でも多分、上司自身がそういうふうにしか扱われてこなかったんだと思う。
もしくはあの当時、本社やシニア層からやられるようになったか。
だから他人にもそういう対応しかできなかったのだろう。
そして、そういう連鎖に気付く視点も持てなかったのだろう。
気の毒ではあるが、マネージャーの資質がないのだ。
いや、マニュアル通りのマネージャーとしてはなんとかなっていたが、マニュアルのない、未知のプロジェクトを率いるような器ではなかった。
痛ましい。
でも、そんな下で働いていた私たちも不幸だった。
そして私だけは逃げ出した。そういうことなのだ。


「どうしてこんなミスをするのかしら!?」
「人間だから」
そうか、マネージャー、あなたも人間だったのですね。
 (2015/12)