シフクノトキ

至福、雌伏、私服。

飲むこととしゃべること

ちょっと前、でももう多分10年くらい前、他人と話すより自分ひとりでいろいろ考えるほうが愉しい、と思っていることに気がついた。もともとおしゃべりが好きなほうじゃないから、他人と話さなくても結構平気。 話したくなったら、気になるテーマの文章や本を…

ホーム~戻ってくるところ

最近個人的な区切りがいくつかあって、正に人生回収ターン。結局戻ってくるのは『ここ』なのかと気づかされ、我ながら可笑しい。 若い頃は世間的な欲望に囚われていたというか、それなりに他人の目を意識していた。 一目置かれるような仕事、意識高いライフ…

冬の最後の日に

今日は節分、明日は立春。 寒さはまだ続くだろうけれど、気分は春に向かっている。 梅の花がそこここで咲き始めていているし、桜のつぼみも何となく膨らんできたような。 去年の後半はいくつかの節目・・・長男の就職内定、銀婚式、五十路・・・を迎えると同…

あの夏の日に戻れなくとも

あれは多分高一の夏休み、海に入ったのだからお盆前のはず。 その日、Yと私は横浜ルミネのぴあステーションに始発で駆けつけ、首尾良く目当てのチケットが取れたので、いい天気だし、海でも行くか!と盛り上がったんだ。 午後一の由比ヶ浜は台風接近中で黄色…

大型スポーツイベント開幕ということで

中学に入ってすぐの宿泊研修の会場は、前のオリンピックで選手宿舎に使われた代々木青少年センター。ジメジメした薄暗い印象、あまりいい思い出ではない。 翻って国立競技場、音楽イベントで何度か入ったことがある。そして何回行ったか覚えていない武道館、…

世界が色を失くした日

あの日曜日の夕暮れ、いつものように買い物に向かうため家の前の横断歩道を渡った時、その猛烈な寂しさはやってきた。 自分の、今の、この大変さを話せる人がいないことに気付き、泣けてきて、周囲の色が失くなった気がした。 そんな事実に気づいたことに呆…

確かに私もそこにいた

先日久々に仕事上の修羅場にぶち当たり、若干放心気味のまま遅い休憩に出た。そんな状態で偶然出会したのは、割と親しくしていたSさんとDさんだった。 二人とも私と同年代、子どもも同じくらいの年齢。ひとしきりお互いの無事を交歓した後誰からともなく、「…

夕飯作りにこだわる理由

私が仕事を中心に据えられない理由は、夕飯が作れなくなるからだ。 朝5時に起きて朝食・弁当をそれぞれ4.5人分・4人分用意している。この時夕食の下ごしらえくらいやっておけばいいのだろうが、私のキャパを超えていてできない。他にも洗濯干し4.5人分(内ふ…

35年前の今日のこと

1985年6月15日、国立競技場で音楽イベント“All Together Now”が催され、私も観客の一人としてその場に居合わせていた。本当は当時大好きだったオフコース目当てで取ったチケットだったけれど、トリを飾った佐野元春のステージに圧倒されてしまい、その熱に浮…

本を運んでくる人

実家にいた頃、我が家には本を運んでくる人が二人いた。一人は街の本屋のたらばさん、もう一人は父だった。 たらばさんは月に一度、『噂の真相』と『家庭画報』を届けてくれていた。ウワシンはいかがわしさ満載だったので最初はコソコソ読んでいたはずだが、…

古い友人たちと疎遠になった理由

大学卒業後も、ことあるごとに集まっていた友人たち。しかしここ最近、すっかりご無沙汰になってしまった。それぞれ家族を持ち、日常だけで精一杯と遠慮しあっているのが大きいだろうが、私にはもうひとつ明確な避けている理由がある。家族観・子育て観の違…

資料を残すことの大切さ

仕事を引き継いで一回転半くらいのタイミングで、教えてくれていたベテラン社員のお姉さんが休暇で不在となった。そもそもが彼女の不在中バックアップとしてアサインされたようなものだったので不満は無かったけれど、一人で業務を回すことになった初日、内…

元上司とのやり取り

ふと思い出したこと。 前社での私のミッションのひとつに、他部署のミスをカバーする、というのがあった。システムで変更不可な部分を手動で直す、という作業だ。これがちょいちょい発生する案件で、私個人は、いくらシステムでもはじめのインプットは人間が…

仕事を覚えることについて

今の派遣先で働き始めて早半年。人間関係的な物足りなさはあるけれど、仕事内容としては申し分ない。今月に入って、今までの仕事を他人に引き継ぎつつ自分は新たな仕事を覚えるという、まあストレスと言えばストレスな状況ではある。それでも年の功なのか、…

祝・中学卒業

長男が義務教育を終えた。親として、只々めでたい。今のご時世経済負担的にはやっと折り返し地点だけど、精神的にはだいぶラクになりそうだ。あとは進路に関する実際的なアドバイスを請われた時に与えれば、そう間違った方向には行かない気がする。もちろん…

横浜駅の思い出

3/3(火) 21:00の横浜駅コンコース。ポルタのエスカレーターを上がると、ジョイナス側のエスカレーターがはっきりと見えた。多分、生涯で初めての経験だ。 天井を見上げると、つい先日まで仮設だった照明が、完成している。日本のサグラダファミリアも完成直…

やっぱり、ヤンキー

私が社会人三年目で結婚・五年目で出産したことに対して、最初の業界で一番慕っていた先輩は、「だから、スズキはヤンキーなんだってば」と宣った。20年くらい前のことだ。その先輩は私の一回り以上上、都内有名私大の付属校上がり、海外留学経験有りという…

冷めた人の頭の中

「優しい人」の反対は、「冷めた人」だろう。 冷めた人は、「他人のため」がモチベーションにならない。あくまで自分がそうしたいかどうか、もしくは自分がそうされてうれしいか、が判断基準。 私は冷めた人寄りなので、他人にあれこれされるのが好きじゃな…

初夏に迎えた、実りの秋

もう平成は去っていったけれど、せっかくなので自分も総括めいたことを書き残しておこう。 平成時代は私の人生の晩春から秋の盛り、種蒔きから収穫の時期と重なっている。平成初めの頃、まさか自分が結婚・出産するなんて思ってもいなかった。好きな仕事、カ…

春なのに

なぜ思い出したのかというと。 今朝次男が進学で西へ旅立つ友を見送りに新幹線の駅へ行くため、私や夫より早く家を出たから。“春なのに、お別れですか?”再来月即位する次期天皇も今頃口ずさんでいるかもと思いながら、洗面所で熱唱した出勤前。この歌は何と…

春にして君を離れ~読書感想

ネット、特に小町でAC本として大絶賛されていた。 恐い、哀しい、最高傑作、と称賛されていたので、イヤでも期待が高まっていた。が、結果は幾分拍子抜け。 というか、これってよくあることじゃないの? 多かれ少なかれ夫婦関係・親子関係とはこういうものだ…

家族に読まれてもいいように

どうして今さらブログを始めようと思ったのか。一番大きいのは、子どもが成長し、親を一人の人間として客観的に判断できるようになった、という確信が持てたから。 だからこれからここに書いていくことも、子どもたちに読まれるのを前提に書いていこう。 も…

母というよりも

母という役割を20年やってきたけれど、“この子には何でもやってあげたい!”という衝動は、ついぞ訪れなかった。 だから、自分と反対に庇護欲溢れる人物と接すると、コンプレックスが刺激されるのか、かなり居心地の悪い思いをする。あちらは非の打ち所のない…

“ありがとう”“ごめんなさい”

佐野洋子さんの『シズコさん』、やっと読み終えた。 何年積読していただろう? 以前トライした時は、最初の数ページで息苦しくなって読み進めることができなくなった。 しかし今回は、丸一日ですっと読めたのだ。 この2,3年で、私自身の母娘関係も変化したの…

今さらの船出

これまで時間と心の余裕がなくて、書くことから遠ざかっていた。 やっと長男次男の進路の目処がつき、生活に凪が訪れた。何について書くのか、誰に向かって書くのか。他人様のブログを覗いては考えてきた。かつて育児についての文章をネット上で公開したこと…