シフクノトキ

至福、雌伏、私服。

資料を残すことの大切さ

仕事を引き継いで一回転半くらいのタイミングで、教えてくれていたベテラン社員のお姉さんが休暇で不在となった。そもそもが彼女の不在中バックアップとしてアサインされたようなものだったので不満は無かったけれど、一人で業務を回すことになった初日、内線が鳴りっぱなしで本来の業務に手がつけられなかったのには流石に閉口した。内線が鳴りっぱなしという状況の時代遅れ感もさることながら、これを一人で黙々と捌いていたお姉さんの怜悧さに改めて感じ入った。

詳細なマニュアルがあり、一回転は一緒にやれていたので、基本的な業務は時間はかかったものの形にすることができた。
問題は例外事項の処理。マニュアルを読み込んでもどうしてもわからない。
仕方がない、過去の事例に当たろう。幸い今の職場は紙資料のPDF化が進んでいるので、10分ほどで目標の伝票に到達することができた。ひとつ前の派遣先だったら、倉庫まで行って、重いダンボールを棚から下ろして、分厚い資料の束をめくって…これだけで小一時間はかかっていただろう。
行き当たった伝票にきちんと処理の根拠があったので、それに倣って紙資料に赤を入れ、システム上の数字を修正する。同様の案件が5件ほど、トータルで30分ほどの作業だった。

もし過去事例の参照ができなかったら。事例に行き着いても、処理の根拠となる記載がなかったら。私は全く前例踏襲主義ではないけれど、仕事の性質上法令には従うし、一貫性も意識している。

誰が見ても分かるよう処理の根拠を示す、それを叩き込まれたのは5年前ケンカ別れした件の上司からだった。
その後4社ほど見てきたが、あれほど徹底していたのは彼女くらいだった。今でも大キライだけど、そこの部分はほんのり感謝している。

資料を残す、根拠を残すのはともすると軽視されがちかもしれない。でもそれらは自分の仕事の正当性を示す行為であり、後に仕事を引き継いでいく人たちへの指針である…

なんて堅いこと書いちゃったけど、要はキチンと書いて残しておけば、ツッコミが入るスキがないってこと。この数字の根拠は?って蒸し返されることもないし、他人に説明する時も手間が省けるし。

でも、資料を読む労力すら惜しむ人が多いのもまた事実。資料を作る・残す行為が虚しくなることもあるよね…